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建築家 松葉邦彦氏インタビュー | JAPAN TWO

建築家 松葉邦彦氏インタビュー

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新進気鋭の建築家、松葉邦彦氏。独立後初めて手がけた「旧廣盛酒造所再生計画」(群馬県中之条町)が、第11回芦原義信賞優秀賞、THE INTERNATIONAL ARCHITECTURE AWARDS 2012(USA)を受賞するなど、国内外から注目されている。 また、彼の活動拠点である東京・八王子をアートやクリエイティブの観点から地域活性化するプロジェクト「18.43 Tamachi Revolution Project」を立ち上げるなど、活動は建築にとどまらない。 彼の目指す建築や取り組んでいる地域活性化について迫ってみた。

 

松葉さんが建築家になったきっかけはなんですか?

松葉邦彦氏 (松葉)

全然覚えてないんですけど、大学受験のときに建築学科を受験したんですよ。多分、そのとき建築家になりたかったと思うんですけど、いつからなりたかったのかって言われると全然覚えてない。ただ、実家に小学生の卒業文集があってそこに建築家になりたいってあったよっていうのは聞いたことがあります。あとは学校の先生に、「俺の友達の建築士、けっこう金もうけてるぞ。」って言われたのも覚えてます。

多分、建築家になる道って結構しんどいんですよ。まず、大学院行って、そのあと有名な建築事務所とかに就職して。そこでは最初は奴隷みたいな扱いされて。で、簡単に言うと僕は嫌だったんですよ。なので、まず一発目に資生堂受けて、落とされて。だって、何か建築科の学生がそのまま卒業して建築事務所に入るのって気持ち悪いなって思ったんですよ。人と同じことしたくなかったんで、「何であいつ資生堂入ったの?」って言われてみたかった。まぁ、そういうふうに広告とかグラフィックデザインとかの方にいってみようと思ったんですけど、なれなくて、「しょうがないから建築やるか。」と言う感じですね。

それからちょっとぷらっぷらしてたんですけど、そしたら耐震強度偽装事件が起きて、1級建築士の資格がとりにくくなるんじゃないかと思って、翌年受けて、受かって。それで一年後に事務所作ったもんだから結局28になるまでかかっちゃいました。

って言うような感じで、普通の学生が一生懸命積み上げていく感じとは違ってぷらっぷらしてた訳です。

さっきサラっと「1級建築士の資格とって。」っておっしゃっていましたけど、そんな簡単じゃないですよね?

松葉

分かんないですけど、僕の場合は試験の3ヶ月くらい前にバイトを辞めて受験モードで勉強してました。短期集中型でやっていたんで。皆さん社会人だったりして働きながらやっていると思うので。そうなると難しいのかなって。

今年インターナショナルアーキテクチャーアワードを受賞された感想は?

松葉

僕があれ(今回の受賞作品)を出した理由は、僕のひと世代、ふた世代で上で、認知度が上がっている若手建築家の人がちょこちょこ作品を出していたから。谷尻誠さんのプロフィール見ていたらたまたまこの賞の名前が出てきて、「何だこれ?」って調べてみたのがきっかけでした。名前にインターナショナルってついていてかっこいいから、まぁ一応出しておくかって感じですね。

作品(「旧廣盛酒造所再生計画」)について少し教えてください。

松葉

古い酒造所を芸術文化施設、中之条ビエンナーレのメイン会場の一つとして整備するということでした。群馬県中之条町という小さな自治体からのオファーですね。一応温泉街なんですが、やはり中心部に比べると何もないような場所なんです。で、2007年に当時町長さんだった方が中之条ビエンナーレを始めて、それのメイン会場が必要と言うことで取得した建物のうちの一つがこの旧廣盛酒造だったんです。でもとても古い建物なので、さすがにこのまま使うのはマズいだろうということで、なんやかんやで呼ばれたのが僕だったんです。

Photo by Tomoki Hirokawa

かなり古い建物で、かなり手を加えられたと思うのですが、どういったところを一番意識しましたか?

松葉

最初から意識していたかどうかは別なんですけど、結果的に出来上がった物がなんだか歪んでるんですよね。同級生に言わせると、「お前の性格が歪んでいるから」らしいです。例えば、(群馬県指定重要有形民族文化財の鳥追い太鼓を保管展示スペースの)通路の両脇をガラス張りにして、映り込みを利用して外部空間を内部空間にとりこんだ。そうすることで外部空間を映り込みで歪ませることができる。そういうことです。後は企画展示室の床を斜めにしてみたり。

Photo by Tomoki Hirokawa

何で斜めにしたのですか?

松葉

床が斜めだと展示しづらいだろうと思って。(笑)斜めの状況が使いづらいと考えるか、面白いと考えるか、それはどっちでもいいんですけど。基準が斜めのここにあわせて作品を作ると変わるのかなと。「あれ、なんかおかしくね?」っていう空間を作りたかった。

インスピレーションは?

松葉

昔は安藤忠雄が好きでした。

普段の生活からアイディアを取り入れたりしますか?

松葉

そうですね、特に「美術館に行ってアート作品眺めています」とかそういうのは無いですね。建築の学生って美術展示見に行ったり、建築事務所でインターンしたりする人多いんですけど、僕はそういうのが昔から嫌で。なんて言うか、自分で事務所やっているもんだから結構夜は時間があってテレビみたりしているんですけど、それがインスピレーションになったりすることもあります。建築とか美術とか見てどうこうっていうのは無いですね。

話は戻りますが、今回受賞されたインターナショナル・アーキテクチャー・アワードには世界中の建築家が参加されていると思いますが、そんな中で松葉さんは自分が日本の建築家として参加しているというような意識はありましたか?

松葉

あんまり無いですね。僕はあまり意識していないんですけど、多分僕がやっていることって日本的なんですよね。正直全然考えてなかったんですけど、ラインをきれいに見せようとしたら結果板張りをモチーフにしたような日本的なものが出来上がっていた。基本的に何も考えてないです。(笑)建築に関しては結構天然かもしれないです。

海外の建築を見られたりしますか?

松葉

パリ行っても建築家なら絶対に見に行くコルビュジエのサヴォア邸っていうのには僕は「面倒くさいから行かねー」って帰ってきました。

旅行とかはあまり行かないんですか?

松葉

行きますよ。でも旅行先では現代建築よりも古い建物を見るのが好きです。パリで一番感動したのは大聖堂でした。

古い建物に魅力を感じてらっしゃるんですね。

松葉

面白いところがありますよね。でも全く詳しくはないんです。今も古い民家の増改築とかしているんですけど知らないこといっぱいあります。

お仕事は増改築が多いんですか?それとも新築?

松葉

新築とセットとかが結構あったりします。一発目が先ほどの酒造所だったんですよ。それが理由なのか分かりませんがリノベーションと新築がセットでくっついてくるようなオファーが多いですね。

そうなんですか。

松葉

新築の方がやりやすいんですけど、本当は。でもリノベーションも面白いかなと。新築だと、古い建物の数十年っていう歴史は作れないじゃないですか。

どうして八王子を拠点に?

松葉

僕、田舎って言うか中途半端に都会な田舎が嫌いなんですよ。郊外のでかい街とかって大嫌いです。僕は自称、日本橋育ちですからね。でも都心は物価が高い。あと僕汚いのとかぼろいのとか大っ嫌いで、ゴキブリも大っ嫌いで。(笑)

まぁ、ですから八王子は都心まで40分くらいでいけるし、土地もわりと安いのでいいのかなと。駅前はそこそこ発達しているし。

地域再生というかたちでローカルに目を向けてらっしゃいますが、理由はありますか?

松葉

八王子には建築事務所が少なくて、最初は競争が無いからこのエリアを独占できていいなと思っていたんです。でも、需要も少ないってことにも気がついて(笑)確かに人があまりいなかったんです。でも、それって面白くないじゃないですか。同世代で物作っている人もいないし、学生もいないし。それと、もともと八王子でやっているイベントとかお店とかも全然洗練されていなくて、こんな街にいたくないなって思いました。でもいたくないって文句言っていてもしかたないじゃないですか。じゃあ、何かやろうかと始めました。

Photo by Tomoki Hirokawa

自分の住む街が気に食わないから変えてやろうってことですか。

松葉

簡単に言えばそうですね。

今後はどういう活動をされていきますか?

松葉

僕の中では建築設計と八王子でやること二つに分かれていて。建築家としてちゃんと評価されるような物を作らないといけないと思います。そうした方が地域再生のイベントとかも良い物ができるし注目も得られると思う。ですから建築家として世界に通用するようなものを作っていきたい。あとは情報発信をするためにウェブマガジンとかメディアを持ちたいと思っています。イベントやって、メディアで発信して、人が集まる。そうすれば八王子にももっと可能性がうまれるかなと言う気がしています。

今後も八王子で?

松葉

いいえ。八王子以外の所にも行きますけど、八王子は八王子で何か置いておきたいなと思います。ここ数年先のプロジェクトはいくつかあって、やっとここら辺も掘り起こし出来てきたのかなと言うところなので、今わざわざ都心に移動しようとは思いませんね。でもいずれは八王子にも活動場所を置いておいて、京王線一本で行けるような場所にオフィスを出したいと思っています。

活動内容も八王子と都内で分けるってことですか。

松葉

そうですね。建築の仕事は主に都内中心で、ウェブマガジンをやるとかイベントを事業化するとか地域活性化関連の事業は八王子でいいかなと。早く都内行きたい!

海外で作品を作ろうと思いますか?

松葉

海外でやってみたいですね。留学したいです。勉強がしたいっていうより、ただロンドンかニューヨークで生活してみたいだけですけど。それだけ!(笑)でも何もしないはつまらないから建築すればいいかなって。外国住みたいですね。後は、芸術文化施設と酒造関係とか継続してやっていきたいですね。それ以外にもやりますけど、その二つは今後もやって行きたいと思っています。

Photo by Tomoki Hirokawa

取材協力:MODESTE
東京都八王子市元横山町3-5-4-101
http://www.modeste.info/

松葉邦彦 プロフィール

1979年東京都中央区生まれ。2005年東京藝術大学大学院修了後、TYRANT一級建築士事務所設立。現在、株式会社TYRANT代表取締役。群馬県中之条町の旧酒造所を芸術文化施設に再生させる「旧廣盛酒造所再生計画」で第11回芦原義信賞優秀賞、The International Architecture Awards 2012、JCDデザインアワード2011新人賞を受賞。偶然訪れた旧遊郭街に関心を持ち、「18.43 Tamachi Revolution Project」を立ち上げ、活動拠点である東京・八王子の地域活性化に励む。

Website http://www.tyrantkm.com/

 

 

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