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株式会社協同商事 コエドブルワリー 代表取締役社長 朝霧重治氏インタビュー | JAPAN TWO

株式会社協同商事 コエドブルワリー 代表取締役社長 朝霧重治氏インタビュー

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世界で発売されているCOEDOビールの商品、またビールの世界的賞を受賞するまでの過程や職人魂に重点をおいたインタビューにCOEDO代表取締役直々にお答えいただきました。

グリーンのチェック柄ジャケットにオシャレナ黄色のメガネ、少し地黒で若々しさが全体から感じられる男性が笑顔でミーティング室に入ってこられました。え、この方が社長さん?「初めまして、朝霧です」。内心とっても驚いた。世界で数々の賞を受賞するCOEDOビールの代表取締役がこんなに若い方だと思っていませんでした。インタビューが進むにつれ、朝霧さんの熱意と豊富な知識、説明の内容の濃さに驚かされました。インタビュー一問目、最初にCOEDOビールの歴史からお話を聞いてみました。

地ビールではなく、クラフトビール

COEDOビールの歴史について教えていただけますか。

朝霧重治氏(朝霧)

元々農業の会社、有機野菜に特化した産地直送商社でした。1994年にビール規制が緩和され、1996年に小規模にビアホールを併設したブルーパブを小江戸ブルワリーとしてスタート。翌年1997年にこの工場(三芳工場)が建設されました。

毎年大量に処分されていた規格外の薩摩芋や、連作障害を避けるために緑肥として栽培された麦を有効活用するためビールを作る事にしてみました。イモ焼酎があるなら、芋でもビールが作れるのではないか?という着想が出発点です。

農業とCOEDOビールの関連性

朝霧

江戸時代から人が住み始めた川越地域。当時荒れた野原、痩せた土の中でも栽培できカロリーが多い作物、という事でさつまいも栽培が始まりました。関東でさつまいもの栽培を始めたのはこの地域が初めてです。またこれを広めたのが青木昆陽です。農業の世界では連作障害が起こるのを防ぐために輪作、また畑を豊かにする為、有機農業、循環式農業などを繰り返してきました。その背景を基に1970年代に岡山出身の創業者が会社をスタートしました。創業者はこの地域の者ではないのですが、地域性と生産者との出会いを通じ川越地域に会社を設立しました。有機農業、産直として企業をスタートさせ、その過程で規格外のさつまいもと出会い、また緑肥として栽培していた麦に注目しどうにか商品化できないかと考えたところビールに出会いました。これが農業からできたビール会社COEDOのはじまりです。

地ビールブームとCOEDOビール

朝霧

1995-6年の頃のブームした地ビール。地域おこし観光物産としてなんとなく流行しました。観光地で特産物を作りたい方、また観光地に憧れた市などが地ビールを作り始めました。でも、COEDOは地ビールの流行に乗って、作った訳ではないんです。職人魂や江戸の伝 統、日本の文化がある町がここ川越。創業者はここの地域の者ではないのですが、農業の地域でもあるこの土地に出会いこの地域性を重視して会社を始めました。観光地の川越で川越の作物を使って作られた、地域性が全面にでていたビールなので気づけばその当時流行っていた「地ビール」と呼ばれるようになっていました。地域性が全面にでており、地域の物から作っていましたから。観光価格で観光客に売るビジネスのスタイルも取り入れていました。

ビールとの出会い

朝霧

麦はもともと日本ではその多くを輸入しています。日本の政府が貿易を管理していますので。海外で麦を買うと、単価が日本で栽培して売る値段より安いんですよ。昔から、川越には伝統的に、連作障害が起こらないように土地の力を回復させる力として麦を植えるという方法がありました。畑に麦は鋤き込まれ緑肥として使います。それを緑肥だけではもったいないと思い、何か作れないかという考えから出会ったのがビールでした。緑肥として作っていた麦を何かに加工して販売できないか、という思いからビールを作ろうという考えにたどり付いたのがビールの規制が変わる前の1980年代の後半でした。以後規制が変わり今の工場を設立させました。

さつまいものビールの誕生

朝霧

当時弊社は、物流サービスの一環として包装加工、計量、農産物を商品に仕上げる作業を、物流の一環として展開していきました。ただ、その袋詰めの時に規格外ではじかれるさつまいもがでてきました。つぶぞろいで理想的な形から外れたものが加工用などに回りました。4割は、規格外として外れてしまいました。この地域ではさつまいもをたくさん栽培しており販売されないさつまいもを勿体なく感じました。日本には芋焼酎がすでに存在していたので、それじゃさつまいもからビールを作ってみようというアイディアが生まれました。観光地で発売すると土地の物も使っているし良いのではないかとこれが小江戸ブルワリー誕生の背景です。販売当初は、川越にあるレストランや酒屋さんにビールを置いて販売していただきました。そして1997年にいわゆる地ビールブームに乗じる形で20倍の生産規模のこの工場を作りドイツからビール職人を雇い、海外からの技術導入も実施しました。

ビールじゃなく発泡酒とよばれるBeniaka

朝霧

日本では麦芽を作る産業は存在しておらず、麦を麦芽に加工することが出来ませんでした。だからさつまいもからビールを作る事にしました。さつまいもを使うと日本の酒税法では発泡酒として扱われてしまいます。当時さつまいもを使った地ビールとして始めました。今でもBeniakaのラベルの後ろに発泡酒として記入されています。さつまいもがビールの原料として日本のビール税法の中に書いてないからです。前例がない話だったので。なので、さつまいもから作られたビールは今でも発泡酒と部類されています。

地ビールではなくクラフトビールへ

朝霧

地ビールはブームに乗り瞬間的に流行ったのですが、すぐに流行も消えていきました。商事会社のメーカー部門がCOEDOビール事業部です。地ビールブームに向け生産量を増やすためこの今の工場の建設を始めたのですが建設を終えたころには地ビールブームというのはすでに終わってしまっていました。苦労しました。でも、この工場がなければCOEDOビールは誕生していません。観光客向けだけのビール生産なら前の工場で十分でした。村おこしの為にビールを作ったわけではなかったが、地ビールの流行がさり、ビールの売り上げが下がりました。観光地の土産物的な地ビールから職人の手仕込みとバリエーションを伝えるクラフトビールへとポジションを変更し、パッケージを変え小江戸ブルワリーからCOEDOへブランド展開。味には自信があったので世界大会に参加して味の品質をビール世界大会で証明しました。そのふたつがモンドセレクションとiTQi受賞。職人たちにも意識を変えてもらいました。職人の職業は地ビールを作っているのではなくクラフトビールを作っているのだと。

ブラウマイスターとの出会い

朝霧

ビールを作るっていう事に関しても素材がよくても作る人がいなければ成り立ちません。観光地だから適当に作ってみるのではなく、職人を探しました。日本人でビール造りをやった人がいないのであればそういう人がいる国から来てもらおうという事になりました。ドイツ人のブラウマイスター、ビールの資格をもっている人に来ていただく事にしました。そしてビール造りを教えていただくように。彼との出会いは、縁ですね。工場にある機械をドイツのミュルヘンから輸入して、ビールに関する経験がなかったので、ミュンヘンにあるプラントメーカーにブラウマイスターをドイツで募集し面接をしていただきました。それが出会いです。日本に5年来ていただき、ビールの作り方、職人魂を伝授していただきました。

ブラウマイスターの方はどのような気持ちで日本に来てビールの作り方を伝授していただけたと思いますか。

朝霧

彼は日本に来るのを誇りに思っていたと思います。日本語も分からずドイツ語しかできなかったけど、身振り手振りでドイツ語と日本語をミックスしコミュニケーションをとっていました。彼のお父さん、祖父もビール職人の家系なのでおじいさんお父さんの背中を見て育ち、それを日本で伝授してやる!という意気込みで来ていただけたと思います。日本の後もロシアへ行き10年間ビールの作り方を伝授してあちこち世界で活躍されていたみたいです。今はドイツに帰られています。彼は16歳からビール工房で働いて途中国家資格をとり、30歳の時に日本に来ていただきました。自分よりも10歳ぐらい年下の日本人にビールの作り方を教えていただきました。彼にとっては大変だったと思いますが、充実していたと思います。

本格的なビールを作られているCOEDO、海外にもこれから商品を発信して行くという事ですが。

朝霧

そうですね、日本の物づくりとは丁寧、食品製造の現場がとても清潔です。

日本では、靴を脱ぐのは当たり前、そんな文化がある日本人の気質は衛生管理面では向いています。特に発酵過程というのは微生物が活動する環境なので、特殊な菌を飼う環境で衛生環境がとても大事。ビール酵母を飼うのですが、他の乳酸菌などが入ってしまうと負けてしまう、弱い菌なんです。日本人の生真面目な正確、細かい作業などが得意で丁寧に美味しくビールを作る、たえまぬ努力やこつこつ作り上げていくという作業が日本人は得意としてきたのでビール作りに向いています。COEDOの職人は世界の賞をとったからと満足するのでわなく、まだこの味でいいのだろうかと疑問を常に持ち続け、努力しています。他の国には、さつまいもから作ったビールはなくCOEDOが初です。世界でもオンリーワン。他の国には、さつまいもからビールを作る文化というのは存在していません。川越の背景を活用した商品。その土地で生まれた理由や味が反映された商品になりました。自信をもっておすすめできるBeniakaを中心に世界で発信していきます。

これからCOEDEOビールを海外に発信して行く中で、どのような場所、環境理想とするCOEDOビールの楽しみ方とは。

朝霧

我々のビールの味わいは繊細、味が綺麗だと思います。わかりやすいインパクトをビールに与えるケースが多いのです。でもそうではなく繊細な物を作り出すというのが日本人は向いていると思います。わびさびの繊細なしぶさとかを上手く活用したものなど。ビールの世界で言うとおもいっきり苦くしたり、香りを強くしたりする商品が多いですが、そうではなくて繊細な味を作れるような事を目標にCOEDOは作っています。素材の味を引き出す。我々にとって日本らしいそういう味を提供するのが存在意義かと思います。また今日本食が海外でとても人気です。素材の味を引き出し調理されているのが日本料理だと思います。それを崩さない、味を引き出すというビールにCOEDOビールはなっていると思います。日本は食文化自体が他国の食文化と異なる部分がおおくあるのでブランディングもしがいがあります。日本らしさを大事にする。職人がつかさどったビール、そんなビールがあってもいいですよね。

海外展開はどこに。

朝霧

アジアが多いですね。アメリカやフランスにも商品を紹介しています。今から韓国の飲食店にCOEDOビールを樽で輸出します。香港でイベントも開催しました。タイからも熱いオファーなどを受けたりしています、ただ職人態勢なので製造に限度があります。時間をかけて計画しながら進めております。

海外の方にメッセージ

朝霧

我々の、ブランドのコンセプトは"Beer Beautiful"ビールは素晴らしいという意味で、 life is beautifulのようにビールも美しいというコンセプトです。 日本の職人が作ったビール、繊細な手仕事で作り上げた商品。食事との食べ合わせは最高だと思います。

COEDOの5種類あるビール、合う食べ物などありますか。

朝霧

あります。ビールによって合う食べ物も違います。Food pairing、ビールの持つ味がそれぞれ異なるので、合う食べ物も違うのでそこを含めて選んで楽しんでいただきたい。使っている原材料が豊富です。一口で麦といってもいろいろな麦が存在します。色が違う、原材料の加工良法も違います。黒く焦がした麦からできる黒ビールなどは、ロースト香が強いです。ビールにも個性があり、食べ合わせも色々です。紅赤などさつまいもを焼加工してペースト上にして麦芽などを一緒発酵して作っていきます。照り焼きソース、かばやき、ソース自体に甘味があるものに抜群に合います。香港でもフードペアリングのイベントで紹介したのですが大好評でした。

朝霧さんがおすすめするCOEDOビールの楽しみ方

朝霧

ビールはたくさん量を飲まなくても楽しんでいただけます。まずビールを大きなグラス半分ぐらいに注ぎます。次に香り溜まりができているので、それを楽しんでいただきたいです。ビールを飲むからお腹が膨れてしまう、というのではなく,一本をじっくり時間をかけて楽しんでいただきたい。ビールを楽しんでください。日本人、アジア人はアルコールが体質的に弱い方も多いから、一本をじっくり楽しんでいただけるような商品としてCOEDOをおすすめします。香りを楽しみ、色をじっくり見つめ、味を楽しむ。食べ合わせも豊富で楽しめると思います。食中酒に良いですよ。ビールはアルコール飲料の中でもバリエーションも豊富で、味わい、香りも豊です。ビールの奥行とバリエーションを楽しんでいただけます。「とりあえずビールで」、銘柄、種類を指定しないのは勿体ないと思います。このビールの楽しみ方を広めていくのが主にアジア内での目標です。

6種類、7種類目の味の研究などをされているのですか。

朝霧

そういう事は常にしています。ビールのフェスティバル、シーズン用に樽のビールを販売したりと色々挑戦しています。

商品が生まれた土地の歴史からビールの製造過程までを社長自らじっくりご紹介していただきました。地ビールからのクラフトビール転向。世界でも注目を置かれるビールに成長したクラフトビールのCOEDO.職人が手間暇かけて作り上げるその商品にはそれぞれビールの表情があり味わいがあります。川越の歴史、地域性、またそこに住む人たちの思いをすべて詰め込んだビール、それがCOEDOビールではないだろうかと感じさせられるインタビューとなりました。正直取材に伺うまではCOEDOビールの事など知らず、ましてや埼玉県川越市から国際的な賞を受賞するまでの最高品質のビールが製造されているなども知る由もありませんでした。今回、縁がありCOEDOブルワリーの代表取締役、朝霧重治氏に直々にインタビューをする機会をいただきビールの新しい楽しみ方、その奥深さを教えていただけるインタビューとなりました。本場ドイツのビール職人からビールの作り方を学び今Beer Beautifulというコンセプトと共に海外でも活躍しているCOEDOビール。あなたも、「とりあえず生!」のとりあえずではなく自分オリジナルの、または食事にあったビールの銘柄、味の種類を選んでみてはいかがでしょうか。

朝霧重治 プロフィール

1973年6月8日、埼玉県川越市生まれ。Beer Beautifulをコンセプトとする日本のクラフトビール「COEDO」のファウンダー・CEO。地元川越のサツマイモから製造した「紅赤(Beniaka)」をはじめ、日本の職人達によるものづくりやビール本来の豊かな味わいの魅力を「COEDO」を通じて、発信している。モンドセレクションはじめ数々の世界的な賞を受賞し、海外からの評価も高い。ビールは現在、アメリカや中国、シンガポールなどに輸出され、積極的に海外展開をしている。

Website http://www.coedobrewery.com/

 

 

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