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傳 料理人 長谷川在佑 × フロリレージュ シェフ 川手寛康 対談インタビュー 第一弾 | JAPAN TWO

傳 料理人 長谷川在佑 × フロリレージュ シェフ 川手寛康 対談インタビュー 第一弾

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【“Asia's 50 Best Restaurants”受賞記念】 日本料理「傳」の長谷川料理長と、フランス料理「フロリレージュ」の川手シェフが同賞について、そして料理のみならず、人生について語り合う様子をご紹介します。

JAPANTWO(JP2):今回は長谷川さんはAsia50、川手さんはOne to watchを受賞されました。感想をお聞かせください。

川手寛康シェフ (川手氏):料理人として、さらには、個人としての夢だったので、素直に嬉しいです。近年、伝統のあるミシュランとは違った意味で、Asia's 50 Best Restaurants(以後Asia 50)が注目されてきています。その中で、自分も順位に関係なく、あの壇上に立ちたいと思っていました。

昨年、フロリレージュはオープン当初の場所を離れ新たな場所に移りました。自分の中で、チャンスは間違いなく増えると確信していました。それらを意識したうえで移店をしたこともあるので、常にAsia50を意識していました。そんな中で、One to watch受賞の連絡が来て、とにかく嬉しかったのが昨年の冬でした。しかしながら今年の1月になると、One to watchのみ、他の受賞者とは別に先に発表されてしまうため、海外からのお客様やメディア、ジャーナリストの方々など世界中から連絡が相次いで来るような状況となりました。そのような状況で、今まで以上に海外メディアの取材やインタビューを受ける機会が増えてきて、受賞の重みや責任感をかみ締めています。受賞することの意義や責任というのは、単なる個人としての夢だけでは済まされないということをバンコクに来て感じています。嬉しさと重みを両方感じながら楽しんでいる状況でしょうか。

長谷川在佑シェフ (長谷川氏):3、4年前にこの賞がはじまった頃「いつかAsia 50に入りたい」というような話を川手さんとしていました。僕も昨年にDinersさんから「アジアで注目のシェフ」という賞をいただきました。川手さんがone to watchを受賞して、「やはりAsia 50には入れなかったのかな」という話をお互いしていたところ「Asia 50に入りました」という連絡が来たんですよ。

僕の場合、Asia50以外にもWorld 50のシェフやLatin America 50のシェフなどシェフ達が自分のお店である傳に来てくれていたので、遠くて近い存在というか、とても身近に感じていたのも事実でした。逆に、なぜ、こんなに来てくれるんだろうなとも思っていました。最近は海外で料理することも多くなり、他のシェフからは「なぜおまえは50に来ないんだ」と言われていて、自分で行けるものでもないし、いつかは選ばれたいと思っていました。

受賞の連絡があった時は「ついにうちが入った!」と思いました。日本料理というカテゴリーの中、新しいカタチや新しいことに挑戦してきた結果ですし、常日頃から自分もスタッフも含めてお客様にいかに喜んでもらえるかを意識してきた結果が受賞に繋がったのではないかと思います。

うちはお客様に傳タッキー*を出したり、スタッフもお客様も頭の中がクエスチョンマークで一杯だったと思います。しかし、今は胸を張って「これがうちのスタイル」といえるようになったのは大きな自信にもなりました。順位の発表は今夜ですが、お客様に喜んでもらう、面白いことをやるということが評価されるのは今後に繋がるのではないでしょうか。

JP2:今回お二人が同時受賞をされたのは、すごく意味のあることだと思いますが、それぞれがお互いに思うことや尊敬していることなどをお聞かせください。

長谷川氏:僕は初めて川手さんの料理を頂いた時から素直に「料理が美味しい」と感じていました。彼の場合、料理が絶対的に美味しいということが前提にあります。意外とこの前提というのはスタッフが変わったり、シェフのコンセプトが変わったりする中で維持することが難しいんです。また、フレンチのシェフというのは割とお皿(料理)でお客様と対決していくイメージがあるのですが、川手さんの場合は、お客様に提案をしていくイメージだったり、遊び心を持ちながらお客様を取り込んでいくのが少し他のお店とは違いますね。少し隙を見せるといったら違和感があるかもしれませんが、この辺がフレンチの中でも新しいことの一つかなと思います。あとは常に新しいことにチャレンジしていく姿勢。自分が決めたことに対してのフットワークの軽さも凄いなと尊敬しています。

川手氏:日本のレストラン関係者やシェフは、やはりというか当然、まずは日本人のお客様、日本にいるお客様をベースに考えています。しかし、長谷川さんは「自分のお店のお客様は日本人だけではない!」とすでに、世界を基準に物事を考えています。そうやって世界に向けて目を向けている日本の料理人は残念ながら非常に少ないのが現状です。そしてその中で、和食という今までの概念や枠を守りつつ、プラスアルファの部分を、自分の個性として落とし込めているのが長谷川さんです。さらに言えば、その個性をストーリーとしてお客様にも正確に伝えることができています。それらがやはり海外のお客様が傳に訪れている理由の一つです。

お店がお客様にその思いやストーリーを伝えることができていれば、お客様が他のお客様に伝えることができます。伝言ゲームと同じく、ちゃんとしたストーリーを的確に伝えてくれた人のほうが他の人にも伝えやすいですよね。難しい事、わかりにくいことというのは伝わらずに終わってしまいます。技術的にもアイディアとしても誰もがやっていないことをやっている。その中で、僕は、長谷川さんのことを「気がつきの料理人」だと思っています。私たちが気づかないところに気がつき、それを具現化できる。さらに迷いがない。自分だったら迷ったり、躊躇するようなことでも実行できる。これはもう才能なのかもしれませんが、そういったことができる稀有な和食の料理人とも言えます。

フレンチのシェフの場合は、新しいことを常に生み出さなくてはいけない雰囲気がありますが、和食というのは正反対です。四季折々の中で、四季を感じさせる食材や料理を毎年同じ形で提供することが求められています。しかし、長谷川さんは、それらのバランスをとりつつも、新しいことを生み出しています。このような表現方法は日本の和食の料理人としては、長谷川さんだけですし、ある意味50に選ばれて当然だと思っています。

長谷川氏:川手さんは物事や取り組みへのアプローチで「できない」と考えない。必ず、「どうしたらできるか」「それがいい」と迷わず思える。そのような考え方が良いなと思っていました。実際、フロリレージュがリニュアールオープンした時に、「日本を表現していく」ことでした。しかし、お客様が「やはり川手さんのフォアグラ食べたい」という声が多くなるにしたがって、フォアグラを解禁しました。ただ、以前の人気メニューだったフォアグラとメレンゲとは全く違った、今の川手さんの考え方での表現になっています。こういったことを通して常に考えて、それを料理で表現することができる料理人なんだなと思います。

話は少し変わりますが、僕はどちらかというと「ダメだったら次!」って感じなのですが、川手さんの場合は、以前一緒にコラボレーションをした時もそうだったのですが、「大丈夫かな~。大丈夫かな~?」と常に言っていたのが印象的でした。堂々と新しいことを作っているように見えて、実は緻密で繊細で、それらの心配やハードルを少しずつ克服しているのではないでしょうか。

あとは川手さんも僕と似ていて、次のステップに移るスピードも速く、気づいたことをすぐに形にしますね。コラボをした際、フロリレージュのキッチンに立たせてもらった時に、ふと川手さんのことを見ると、すごくお客さんのことを観察していました。日本料理だったらカウンターがあり、当たり前なのかもしれないけど、フレンチのシェフで、お客様をサービスの方、川手さん含めたキッチンのシェフがあそこまでしっかり見ながら料理をしているところって他にないと思います。よく「フロリレージュは値段が手ごろでボリュームもあって美味しいからお客様が入る」なんていわれていますが、本当のフロリレージュの凄さや、お店の人たちがどのような気持ちでサービスを提供しているかを理解している人は少ないのではないでしょうか。

川手氏:お客様をつけられる料理人って本当に少ないんですよね。満席にできる料理人というのは、人間性からスタートしていて。人としての器というか。ちょっと言葉にするのは難しいのですが、若いスタッフとかを見ても「もしかしたらこの子は将来お客様がつくかも」とかなんとなくわかってしまうんでしょうね。話が脱線してしまいましたが、料理人として優秀なのはもちろん、人間性としてのプラスアルファは非常に重要な要素の一つだと考えています。

長谷川氏:川手さんと全くの同意見なんですが、結論から言うと「人と人」なんですよね。お店が成り立っているのも。料理にのみ集中してしまったり、テクニックはすごいんだけど結局なかなかお客様が来ないお店というのは、さっき述べたような点が欠けているのかなと。

川手さんは料理人でありながら、サービスマンでもあります。常にお客様がどうしたら喜んでくれるかを考えている。つまり両方を兼ね備えていないと、これだけハイレベルなお店がひしめいている中でお客様にリピートしてもらえることは絶対に無理だと思います。「おいしかったからまた来てみよう」ではなくて「また来たい、もう一回来たい」という気持ちにさせる。うちのお客様もフロリレージュのお客様にも共通していえるのが、その日の美味しさだけを求めてきてないということです。「その先に何があるのか」というのを食べながら考えている。だから言い方は悪いのかもしれないけど、失敗しても良いと思うんです。自分の能力の範囲内のミスは絶対に避けなければならないですが、新たな挑戦や、全力でぶつかった失敗なら、お客様だってわかってくれると思います。お客様もそれをわかってくださっている。自分がお店を始めた時は「満席にしなきゃ。」って常にプレッシャーを感じていたのですが、今はお客様とお皿を通して戦うのではなくて、もっとゆるく、「次にまた来て応援してあげよう!」って思ってもらえる仲間のような関係になっていますね。

川手氏:今回フロリレージュと傳がバンコクに来れたのも、少し今までのレストランとは異なるってことが評価の一つになったのかもしれないと自分では予想しています。お客様と一緒になってこのバンコクの地に来たって感じですね。

長谷川氏:だからこそ、ほかの若手シェフにもすごいチャンスがあるかな。

川手氏:自分たちは華やかなイメージから遠い存在なので、イメージが壊れてしまうのかもしれないけど。

長谷川氏:尊敬されるシェフっていうよりは「近いシェフ」っていうイメージの方が強いかもしれないですね。だから日ごろから来ていただいているお客様に祝福されるのが一番うれしいですね。

川手氏:フロリレージュも傳さんも、お客様を含めたチーム全体この賞を受賞したといえますよね。料理だけを切り離して考えるのではなく、お店全体、お客様、生産者、関係者の方を含めて全体です。

長谷川氏:川手さんと同意見で、料理人って視野が狭くて、お皿(料理)のことしか見てない人が多いんです。でも、ほとんどの人って料理だけじゃなくて、料理人、つまり人を見ている。今回バンコクに来ても、今まで会ったこともないシェフがいきなり熱烈にハグしてくれたこともあったけど、そういった「会いたい」「行きたい」って部分はお皿だけではないですよね。

第二弾へ続く

 

フロリレージュ シェフ 川手寛康

両親は洋食店を経営、親戚も料理人という家庭に生まれ、幼い頃からシェフになること以外は考えられなかったというほど、料理が身近な環境で育つ。高校時代に、自分がシェフになるにあたってどの料理が自分に合うのか考え始め、料理店で実際に研修をしながら彼が選んだ料理が「フレンチ」。「フレンチは自分の想像を超えた味に巡り会える、これなら一生かけて探求していける」とフランス料理の道を進むことを決心する。高校を卒業後、2000年『恵比寿Q.E.D. CLUB』『オオハラ エ シイアイイー』にて修行を積む。2002年より西麻布『ル ブルギニオン』にて修行を始め、2年でスーシェフに。20代で自分の店を開くことを決意し、2006年フランスに渡る。モンペリエにある『ジャルダン・デ・サンス』にてフランス修行を積んだ後、2007年に帰国。白金台『カンテサンス』のスーシェフを経て、2009年に独立。東京・南青山に『フロリレージュ』を開店する。2015年には神宮前に移転オープン。国産の食材にこだわった「日本・東京でしか出来ない、フロリレージュでしか出来ない、日本人に合う創作フランス料理」を作り、固定概念にとらわれないフレンチの新しいかたちを生み出し続けている。2015年12月に『ミシュランガイド東京2016』の一つ星獲得、2016年には『Asia's 50 Best Restaurants “One To Watch Award 2016”』を受賞。

Website http://www.aoyama-florilege.jp/

傳 料理人 長谷川在佑

日本料理店『傳』の店主、長谷川在佑。幼い頃、芸者をしていた母親が仕事先の料亭から持って帰ってくる弁当を食べ、料理に興味を持つ。高校卒業後、『神楽坂 うを徳』に住み込み、18歳から修行を積み始める。他にも様々な料理店で経験を積み、2007年29歳で独立。東京・神保町に『傳』を開店する。開店からわずか3年目で『ミシュランガイド東京2011』にて二つ星を獲得。豊富な食材、四季、日本独特の文化といった日本の良さを大切にしつつ、今までの日本料理の枠にとらわれない新しいかたちの日本料理を提供している。

Website http://www.jimbochoden.com/

 

 

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